笑顔の行方と二人の未来

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今日も小春日和のいい天気だ。 お母さんが、詠美の生まれた季節が一番好きと言っていた言葉を思い出す。 この歳になって、誕生日にこだわるなんてみじめ過ぎる。 だけど、本当は。ミンジュンさんと知り合って初めて迎える私の誕生日は特別な日にしたかった。 家の近くの公園に大きな桜の木がある。 でも、まだつぼみのままで、可愛らしい桜の花は顔を出していない。 ここの桜の木が満開になる頃には、ミンジュンさんに会えるかな…? 青い空を見ても、公園の緑を見ても、寂しさから打ち勝つ方法を見いだせない。 そんな時は、あのオリエンタルイースト東京のスィートルームの写真を見る。 ミンジュンさんの笑顔と、素敵な思い出達に出逢えるから… 詠美はベンチに座り、スマホを探した。 あ、急に出てきたから、家に忘れてきたみたい… 詠美は小さくため息をつきベンチを立った。 大きく伸びをして腕を広げて深呼吸をする。 あれ?   道の向こうから美沙おばちゃんが走ってくるのが見える。 詠美が笑顔で手を振ると、美沙おばちゃんはそこにいたと誰かにジェスチャーで伝えている。 何だか、美沙おばちゃんが泣いてるように見えるのは気のせい? 美沙おばちゃんと入れ替わりに見えた人影に、詠美の胸は飛び跳ねた。 ミンジュンさん…?
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