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報酬の額の大きさももちろん魅力的だったが、それよりも自分の温めてきたスキルを試すチャンスが嬉しかった。
元俳優という事には引っかかるが、でもその情報は絶対に秘密にしなければならない。
表に出しては絶対にいけない情報らしい。
なぜなら、今の時点でもその元俳優の名前は伏せられているから。
でも、詠美にとっては、映画のためのオーディションとかもう最高に嬉し過ぎた。
韓国に嵌まった理由の一つに、やっぱりアイドルの影響がある。
詠美には、昔から大好きなアーティストがいた。
しかしながら、その派遣会社から送られてきた規約には、ざっくり言うと、そのようなミーハーはお断り的な事が書いてある。
詠美はその仕事を受けるにあたり、自分のミーハー的な要素を全て封印する事にした。
絶対にこの仕事を手に入れたいし、絶対に成功させたかったから。
そして、すぐに派遣会社に返信をした。
その仕事、喜んで引き受けますと…
詠美は、そのクライアントに会う三日前に派遣会社に急に呼ばれた。
その打ち合わせには、通訳担当部の人間二人に専務と呼ばれる重鎮もいた。
担当者は改めて詠美に紙にコピーした規約を渡し、そして更に別にファイリングされた三枚つづりの書類も渡した。
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