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「なんだ」
「いいえ? なんとなくあなたみたいなタイプの人と結婚する女性はだいたい私好みの方が多いので」
「それは褒めてるのか貶してるのか」
「褒めてますよ? ところであなた自身は奥さんのことどう思ってるんですか?」
答えかけてヴァイスは言葉を呑み込む。
そもそも俺が結婚してることを何故こいつは知ってるんだ?
「お前……随分熱心に俺のことを調べたようだが」
「私が調べたのはあなたじゃなくてあなたの結婚相手の女性ですよ。あなたの情報は興味ないので飛ばしてました」
「馬鹿にするのも大概にしろ。俺とお前じゃ天と地ほどに違うんだよ。まだ部下のほうが道具としてはお前より価値がある」
「そうですね」
「ハツカネズミとドブネズミの違いを答えられるか? 役に立つかそうでないかだ」
「あなたほどの天才はどこを探しても見つからないでしょう。だからこそ残念です」
「は?」
「あなたの目は曇ってますね。いざ不死を手に入れたら科学に価値を見出せなくなりましたか?」
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