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「まあ、買ってくれとは言ってないから。ただ、これいいよね~って言ったら、次に会う時には買ってくれてる、みたいな?」
「悪いやつだなー、お前」
「そうか?でも、旦那いるのに、浮気してるアイツも悪いやつだろ?」
「確かに」
「それをさあ、勝手に勘違いして本気になって俺と結婚したいだとか」
「ありえねえ~」
「で、大声で泣き喚くから、恥ずかしくなって、終電が偶然来たから飛び乗ったってわけ」
「マジか。でも、この時間に終電ってあったっけ?」
「あ?何言ってんだ?まだ11時半だぜ?」
「ん?今、真夜中の2時だぜ?お前の時計、狂ってね?」
「マジ?いやいや、ありえねえ。スマホの時間も11時半だし。逆にユウタのほうの時計が狂ってるんじゃね?」
「いや、こっちは間違いないよ。だって、俺が店出る時、もう1時回ってて、今見てるスマホの画面も2時だもん。」
「じゃあ、俺と2時間半くらいズレがあるってこと?」
「そうなるのかな?」
その時、電車内にアナウンスが響いた。
「この電車は、きさらぎ行きです。途中駅、止まりません。」
「えっ?」
「どした?」
「今さ、電車のアナウンスで、この電車、きさらぎ行きだって。途中駅、止まりませんって」
「きさらぎ?そんな駅、あったっけ?」
「さあ~?俺、乗り間違えちゃった?」
「女に責められて、焦って乗るからw」
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