一章 夢と現実

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 マコトがタクミの性器の先端に爪を立てる。途端にタクミの身体はビクンと跳ね、腰がずくんと揺れた。 「でも俺がこうしたのは兄さんのせいですよ。兄さんが俺にあんなことするから……っ」  マコトの言い分に心当たりはない。戸惑うタクミをよそに、マコトは性器から手を離してタクミへ向き合うと、そのまま唇にキスをした。軽くついばむような甘いものではない。タクミが驚いた拍子に口を開けた隙を見逃さず、マコトはすかさず自分の下を入れ、夢中になって貪る。タクミは口を閉じようとしたが、それよりも早くマコトはタクミの?み合わせに指を入れて顎を固定し、口の中で逃げ惑う彼の舌を思いきり蹂躙した。  タクミの白い顔が赤く染まっていく。根元を縛られた性器も出口を求めて騒ぎだした。 「ううっ……ぁ、やめ」  タクミは腕の拘束を外そうともがいたが、簡単にほどけるような縛り方ではなかった。それどころか暴れれば暴れるほどきつく締まり、手首を傷つけていく。逃げたいのに逃げられない。実の弟に身体を弄ばれても抵抗ひとつできやしない。マコトの手を振り払おうと頭を左右に振るが、その行為はマコトを喜ばせるだけだった。 「俺のこと嫌い? でも気持ちいいんでしょう? 兄さんのもの信じられないほど熱くなっているよ」 「ちがっ」  タクミは反論したかったが、すぐにマコトに封じられた。 「髪も痛んでる。いつから手入れしてないの?」  タクミの荒れ放題の金髪をマコトは指で梳こうとしたが、それは中ほどで絡まっていた髪の毛に遮られた。 「俺が手入れしましょうか? まあ、兄さんは嫌がるだろうけどね」  そのままマコトはタクミの口の中に自らの唾液を流しこみ、それを無理やり飲みこませようとした。タクミは気持ち悪さに再び抵抗を始めたが、マコトは諦めることなく、逆にタクミの鼻を封じ、否が応でも飲みこむしかない状況にタクミを追いこんだ。
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