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「シャツに擦れて辛いだろう。あいつがいない時は、自分で弄っているのか?」
「ち、がぁっ……あ、や……っあ」
「ここをこんなにして……誘っているようにしか思えないな」
高崎は舌なめずりをし、ツンと尖った乳首に軽く歯を立てる。ピアスと歯がぶつかるカチッと高い音が鳴った。
「痛っ」
「可愛い反応するんだな、タクミは。どうだ、俺が慰めてやろうか? あいつよりも俺の方が巧いぞ」
「ひゃあ……っ……っあ」
腰の奥がずんと痺れる。高崎の手つきは激しさを伴うものの、タクミの快楽を呼び起こすだけの技術に長けていた。強く甘い刺激がタクミの赤くなった乳首に走る。ただ痛いだけのマコトとは、比べ物にならなかった。
「や……あぁ、っ……は…あ、っう……」
高崎の肩に掛けていた手は、いつの間にか彼を押し返すものではなく、彼に縋り付くためのものになっている。その様子を見た高崎はタクミの肩に顔を埋め、口元だけで笑った。
「それで良い。素直なお前は、いつ見ても可愛いな」
高崎は目の前の白い肌に咬痕をつける。高崎なりの挨拶の印だ。その間もタクミへの愛撫は続けていたので、タクミはその行動に気づかなかった。
だが、遊びの時間は唐突に終わりを告げる。
「何してんだ……?」
消え入りそうな微かな声だというのに、その音は快楽の世界に浸かっていたタクミの耳にもしっかりと届いた。タクミが腰掛けている位置からは、ちょうど外へと通じる扉が見える。視線を上げた先にいたのは、目を見開いて扉のそばに立ち尽くす、マコトの姿だった。
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