殺したいほどアイシテル―Beginning―

紅い部屋

揺れている。

目眩なのか地震なのか分からないけど、宙に浮いているような揺れ。

身体中が痛い。

手首は思うように動かせないし、脚を閉じることもできない。

イライラする。叫びたくなるくらい。

なのに、声が出ない。

目を開けることさえ辛い。

涙を流しすぎて、頬も痛い。

ヒリヒリ、ヒリヒリ。

たまにこみ上げる吐き気も、飲み込むしかない。

もう胃液しか出ない……。

いったい、もう何日こうして過ごしているのだろう。

小さな部屋の中に人が一人寝転がれるようなステンレス製の台が一つあり、その台を見るように私は木製の椅子に縛り付けられていた。床は赤いじゅうたんが敷かれていて、壁は白…というより、クリーム色。

ところどころに赤黒いシミがある。
飛び散ったような。

真っ赤な絨毯さえ染まるほどの黒に近い赤。