17話目 手探り

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「えっと、俺、何の話をしてたっけ……」 「確か、とても大事な事を引っ張った様な……」 「なんやこの世界、時間の進み方おかしないか!?」  違う、間違っているぞラインハルト。悪いのは世界の方ではない、私の方だ!!  毎週更新を誓ったこの小説。だがしかし、気づけばなんと更新日を五日も過ぎている! 「なんかよくわからないけど、すごく申し訳ない気持ちでいっぱいです」 「せやな。罪悪感っちゅうんやろか」  ゴメン。  私が悪かった。気を付けます。 「それよりサターシャ、その手に持ってるのなに?」  進が顎で促すと、サターシャは右手に握られていた星を確認した。 「あー!! そうですよ進さん! この星の正体に気付いたって前回言ってましたよ!」 「あ……。ああ! そうだったそうだった!! なんだかとてつもない時間が流れた様な気がしてつい忘れてしまっていたー!!」 「なんやこの世界! 時間の進み方おかしないかー!?」  あの、その……。  本当にゴメンって……。  もう許してください……。 「なあサターシャ! なんかうまいもん食いたくないか!?」 「え? ええ……。まあ、そりゃあ……、食べたいですけど……」 「ラインハルトも国産A5ランクの和牛ですき焼きとかしたいよなー!?」 「なんや急に? そら食わしてくれるっちゅうなら断る理由は無いけどな」 「あーあー!! なんだか無性に腹が減ってきたなあ!!」  わかった! わかったって!!  今度番外編ですき焼きでもなんでも食わしてやるからいい加減に話を進めてくれ! 「オーケー。その言葉忘れんなよ。エブリスタで見てるお前らが証人だからな」 「あの、進さん。誰と話しているんですか?」 「いや、なんでも。こっちの話さ。いや、あっちの話って言った方がいいかな」 「急になんのこっちゃ。頭おかしなったんかと思ったで」  諸君、この主人公の進は、恐らくあらゆるウェブ小説の中で唯一人、別のウェブ小説に転移できるチート能力『ゲート』の持ち主であると同時に、自分が小説の中のキャラクターの一人だと自覚しているキャラクターである。  故に、彼は書き手と言う神である私にこう交渉を申し出たのだ。 ??更新に間に合わなかった見返りに肉を食わせと!  非常に不本意ではあるが、今回の件は私の落ち度が招いた失態だ。彼の条件を飲むことはやぶさかではな
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