18話目 エブリスタ使い方まじでわからん

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 進、サターシャ、そしてラインハルトの三人がエブリスタに転移してから一週間が経った。  手探りで捜索を続け、とりあえず分かった事が一つある。 「ここ、狭くない?」  そう、エブリスタはなんと、他の投稿サイトと違って一話に文字制限、しかも一千字の壁が設けられていたのだ! 「一千文字なんてすぐに突破してしまいますよね……」 「ああ、他の投稿サイトに慣れた人からしたら、とてつもなくやりにくいだろう」  投稿サイトの小説は、書籍化された、所謂文庫本の小説とは書き方が似て異なるものである。次話を読んでもらうために、毎話毎に引きを意識する作者は、この壁に打ちのめされるだろう。 「携帯小説っちゅうんか? 空いた時間でサクッと読めるっちゅう……」 「だがラインハルト、それにしても……」 「そう、異様に書籍化が多くないですかここ?」  そう、エブリスタからの書籍化作品は名前を聞けばどこかで聞いたことがある様なタイトルばかり。言っちまえばカクヨムよりも書籍化が狙いやすいと思われる。 「それだけ読者が多いっちゅうことかいな」 「もしかしたら女性読者が多いのかもしれませんね……。ほら、開催中のイベントにBL合戦って……」 「ん? BLってなに?」 「えっ!? あ、な、なんでもないです!!」  そんな事を話している間に、すでに600字に到達しようとしている。残り400字、話は進まない。落ちは見つからない。くっ! エブリスタめ!! 恐ろしい世界だぜ!!  と言うより投稿の仕方から全く分からないんだよ。次ページを追加? これでいいのか? 間違ってたら言ってくれ!! 「進さん。もしかしたら私達は、早めにこの世界を出た方がいいのかもしれません……」 「ああ、俺も気付いていたさ。さっきから地の文が悲鳴をあげている」 「ならさっさと自分のゲートで別の世界に跳ぼ??」 「それが、出来ないんだ……」 「ん? なんでや?」 「ゲートは5話進めないと発動できない縛りを設けちまったんだ……」  チックショーーーーーー!!!  余計な縛りなんか作らなきゃあよかった!!  残り3話、果たして彼らの、そして私はやり遂げることが出来るのか!?  来週に続く!!
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