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「いてっ! なんだこれ……」
何の前触れもなく、突如として一塊の黄色い石が飛んできた。本当に何の前触れもなかったものだから、進は避ける事も受ける事も叶わず、それを頭部にぶつけることとなった。
頭をさすりながら、進は地面に落ちたそれを拾い上げる。
「なんやそれ? 石? どこから飛んできたんや?」
ラインハルトが進の手に握られているその黄色い石に注目したその時、またどこからか何の前触れもなく、突如として一塊の黄色い石が飛んできた。本当に何の前触れもなかったものだから、ラインハルトは避けることも受ける事も叶わず、それを頭部にぶつけることとなった。
「あいたっ! なんやこれ!? 誰かおるんか!? こそこそせんで出てきい!!」
ラインハルトは周囲を見渡すが、辺りには誰もいない。どこからか飛んできた二つ目の石を、今度はサターシャが拾い上げた。
「この形……星……ですかね?」
「星? 隕石かいな?」
「こんな小っちゃい隕石なんかあるわけないだろう。それよりまた飛んでくるかもしれない。二人とも、注意して」
だが、それから何時間待とうが、一つも星は振ってこなかった。
サターシャはいつ飛んでくるかわからない恐怖に最初こそ頭を庇ってはいたが、今は呑気に地面に座り込んでいる。
「なんやったんや? さっきの星」
「俺達を敵とみなして誰かが投げたのか?」
「でもこんなかわいい星、そんな事に使いますかね?」
「「かわいい!?」」
時に女子のかわいいは男子には理解できぬ事がある。
「かわいいか? ただの石っころにしか見えないが」
「じゃあいらないなら私にくださいよ」
「サターシャちゃんは変わっとんな。ほれ」
ラインハルトから星を手渡され、サターシャは上機嫌である。
「私にはこれが悪意があって投げられたものだとは思えないんです」
「つってもなあ……。そんな星??星!?」
ようやく気付いた進はサターシャから星を奪い取った。にわかには信じられない出来事だった。だが、進の頭にはあるひとつの仮説が立てられていた。
「ど、どうしたんですか急に!?」
「なんや!? なんかわかったんか!?」
進は大きく息を吸い込み、静かに吐き出す。
「二人とも、落ち着いて聞いてくれ。もしかしたらこの星ーー」
はい! ここで千文字! また来週!!
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