暖かい場所

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大学の授業が終わり、バイトも23時に上がらせてもらうと家に着いたのは0時を過ぎるところだった。 すぐさまお風呂へ入りベッドへ潜り込んだ、その時だった。 玄関がドンッと鳴り響いた。 何かを投げて当たったような音だった。 昨日に続き今日も…となると流石に怖い。 すぐに博美に電話をかけた。 「もしもし?英美どした?」 「あ、あのね…さっき玄か…」 キャーーーー!!!!!!!警察!!警察呼んでください! 「博美?!大丈夫?!何?!」 携帯の向こうから女の人の悲鳴が聞こえる。 「英美、なにあれ…」 「なに、ねぇ!何が起こっているの?!」 「分かんない。至る所で悲鳴が聞こえる。でも私は大丈夫。それで英美の要件は?」 「あ、、、ねぇ博美、家に居て。なんか嫌な予感する。私博美を迎えに今から走って行く」 「いや、待ち合わせよう。外がなんか変…図書館の前で待ってる」 「それじゃ博美の方が距離遠くなる!橋!橋の所まで行く!」 「分かった!着いたらまた連絡する!」 「うん!」 10分くらい走り、博美は待ち合わせの橋についた。英美はまだかな。 やっぱり、街の人の様子がおかしい。 叫んだり、道路のど真ん中を走ったり、まるで何かから逃げてるみたいな… あ、英美に電話しないと! プルルルル…ガチャ 「英美?着いたよ、どこら辺?」 「え?私も今着いたけど…どこ?」 「?!まさか、セントラルの橋にいる?私、その1つ奥の橋だわ!」 「あ、本当だ!見える見える…博美!!!」 「なに?!」 「後ろ振り向かずに全速力でこっちに走って来て!!早く!!!!」 英美の危機迫った声に押され全速力でセントラル橋まで走った。 「英美!」 「博美!そのまま走るよ、博美の家まで」 「うん!でも一体何が起こっているの?」 「振り向いてみて、博美をつけてきてる」 振り向くと180cmくらいの男が足早に近づいてくるのが見える。 「ねぇ…あれボーイじゃ…?」 「うん…ボーイの左手見える?」 「…!何あれ…包丁?」 「………………秋香音…秋香音が危ない。けど、一度博美の家で考えをまとめよう。何が起こっているのか全く把握出来てない」 「英美…冷静すぎない?ボーイはどうすんの?!」 「とにかく今は走って!!」 私はパニックになりながらも英美の背中を追いかけた。
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