第一章 「僕の純潔を返せっ!」

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「ゲーム?」   「はい。まずは先程みたいに、見ず知らずの男性を睨むわけです。そうするといまお母さんが勘違いしたように、カップルの喧嘩だな? と周りは思う訳ですねえ。そうやって男性に気まずい思いをさせて、精神的苦痛を与える最低のゲームですよ。これが原因で最悪 ”ガンミサレティックシンドローム” という、精神疾患になる事も稀に有るそうです」   「あらー怖いっ。でもそんな悪戯をして一体何が面白いのかねえ」   「まあ、若気のいたりってやつでしょうねえ。彼女たちも一刻も早く自分たちの過ちに気付いて欲しいものです」     少し遠くを見つめながら、僕はしみじみと呟いた。 ちょうどその時だった電車が目的地の駅に到着する。
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