第一章 「僕の純潔を返せっ!」

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相変わらず彼女は礼儀に口うるさい……。 溜め息交じりで振り返ると、そこには予想通りふくれっ面を浮かべる美少女がいた。 (だん)美鈴(みれい)――。 胸元まで伸ばされた艶やかな栗色の美髪。 光の加減によって表情を変える色素の薄い瞳。 一見するとハーフにも見えるその容姿は、常に我が校の男子生徒たちを魅了している。 「別に詐欺のような悪意のある嘘じゃないだろ?」     「でも嘘は嘘でしょ」     「じゃあ、壇蜜(・・)さんは嘘を吐いた事はないの?」     「私はあんなに際どい恰好はしないわよっ!」
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