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「こりゃ失敬。でも際どい恰好はしなくても、嘘くらいは吐いた事あるだろ?」
「いいえ、無いわ」
「ふん、それこそが嘘だ」
「……浩志君は相変わらず意地悪ね」
壇さんは呆れ顔で溜め息を漏らした。
彼女は同じクラスになって以来、このように僕の事をファーストネームで呼ぶ。
クラスメイトの男子生徒の中で唯一、僕だけを……。
もう一度言うぞ、僕だけをだっ!
この状況に対し没個性男子は色めき立ち、そして大いに暴走した。
それは ”男はつらいよ” の主人公も真っ青の超ド級の勘違いだった。
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