第一章 「僕の純潔を返せっ!」

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事件が起こったのは今から、ちょうど2か月前の放課後だった。   その日の空は夕焼けがとても美しく、二人きりの教室は(あかね)色に染まっていた。   これ以上ない程のにロマンティックな状況……よし、イケるっ!  僕は心の中で呟いた。そして意を決して行動に出たのだ。     「壇さんて好きな人とかいるの?」     「えっ……突然どうしたのよ」     「いやあ、壇さんってモテるから好きなヤツとかいるのかなあ、と思って」   「……うん、いるよ」   壇さんは僕から視線を逸らすと、照れくさそうに俯いた。 はい、来たっ! これはどう考えても間違いない……。 僕はそう思いつつ、意を決して口を開いた。
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