第一章 「僕の純潔を返せっ!」

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翌日の電車内は昨日と打って変わって快適そのものだった。   辺りを見回しても例の ”ガン見女” の姿は見当たらない。   実に優雅なひと時だ……と言いたいところだが、いまの僕にはそんな余裕は微塵もなかった。   簡単に言うと愚母が、おもいっきり寝坊をかましたのだ。   そして普段から目覚ましを掛けていない僕も、当然のように寝過ごした。   あのババア、今日という今日はただじゃおかねえ……。 僕はそう思いつつ昨日と同様に、眉間に皺を寄せながら電車に揺られた。
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