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「遅いっ!」
「あっ、すんませーん」
教室に到着すると、既に朝のホームルームが始まっていた。
僕は担任である海老名みどり子に苦笑いを向けながら、足早に窓際の席へと向かった。
うん? 僕はもう一度、教壇の前で眉間に皺を寄せている担任に目を向けた。
すると彼女の隣には見知った顔があった。
おいおい、嘘だろ……。
そこには昨日のガン見女が相変わらずの表情で、僕を睨みつけながら佇んでいた。
一体これはどういうことだ。
僕は眉間に皺を寄せながら静かに席に腰を下ろした。
状況から察して、どうやらガン見女は転校生らしい。
ヤツは相変わらずの挑戦的な眼差しを、僕に向けながら自己紹介をしている。
全くもって気に入らねえ……あまりの苛つきに鼓膜が外界の音を遮断してゆく。
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