第二章 「僕は人間椅子じゃねえっ!」

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先程の喧騒がまるで嘘のように、1時限目の授業はいつもと変わらぬ様子で始まった。   教壇では教科担任の豊島が頭をハゲ散らかしながら、日本史の解説を長々と行っている。     相変わらずコイツの授業は耳が疲れるなあ……。   何故なら声がこもっているうえに滑舌が酷く悪いため、なにを説明をしているのか全く要領を得ないのだ。   これは人にものを教える立場の人間としては、致命的な欠陥だった。   全然なに言ってんのか分んねえ……。   ったくこんだけ生徒がいるんだから、誰か一人くらいツッコめよなあ……。   っていうかその前に、いま僕が置かれてるこの状況を誰かツッコめよっ!
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