第二章 「僕は人間椅子じゃねえっ!」

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その後も黒柳徹男はトイレと昼食以外は、僕の太腿を椅子代わりにして、さも当たり前のように纏わりついてくる。   その様子は新婚さんも真っ青のデレデレ感満載であった。     どうしてこの僕が徹男の暴挙を断固拒否しないのか?   不思議に思った方も多いだろう。   理由は単純だ。僕と離れるとヤツは大声をあげて泣きじゃくるのだ。   こんな事をカミングアウトするのは誠に遺憾なのだが、僕は女性の涙にめっぽう弱い。 勿論、ヤツが女子でないことは重々承知の上だ。でもね、見た目は完全に美少女なの……。 僕が徹男を拒否出来ないのは、こういった情けない理由からであった。
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