第二章 「僕は人間椅子じゃねえっ!」

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それにしても、教師連中のあの淡泊な態度はどういうことだ?   誰一人としてヤツに、教師らしい注意をする人間がいないのだ。   そしてもう一つ僕には大きな疑問があった。   なんでコイツ、当たり前のように女子の制服着てるわけ?   これらの疑問には何か裏があるに違いない。   僕はさり気なくヤツに探りを入れることにした。     「なあ、徹男」     「なあに? ヒーちゃん」   4時限目が終わる頃には僕の呼名は ”ヒロちゃん” から ”ヒーちゃん” に格上げになっていた。 因みに16年生きてきて、ヒーちゃんと呼ばれたのは初めてだ。 男・佐藤浩志……その呼名には幾分テレます。
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