第三章 言いたかったこと

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「はあ!? だから違うって! すぐそうやって悪く考えるの、本当止めて!」 「じゃあ何で!」  私の言及が不本意だったのか、彼女が眉を吊り上げ明確に不機嫌を露わにする。背の高い彼女が大きな声を上げて紛糾する姿は、正直言って怖い。でもこの件に関してだけは、私も引くわけにはいかなかった。  お互いがお互いに詰め寄り、どんどん顔が近づく。だが今にもぶつかろうかというところで、彼女がふっと表情を緩めて言った。 「そんな大事なものなら、絶対に取りに来るじゃん。だから、持ってればもう一度会えると思ったの」 「はあ!? だからっ……ぅえ?」 「会って、言いたいことがあったから!」  彼女の言っていることに追いついていけない私を置いて、彼女はどんどん行動を進めてしまう。一歩、二歩と私から距離を取って、彼女はその全貌を私に見せつける。未だに前のめりのまま呆けている私と向き合うと、彼女はコホンと咳払いをして、居住まいを正した。  妙に恭しい雰囲気となった彼女が、手を差し出してくる。 「じゃあね。友達になれなくてゴメンね。裁縫、これからも頑張って」
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