二章

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――――――――― 『まず、神社の裏山に停めてある車まで移動する。走れば15分でつく距離だけど、村の人に姿を見られないよう、慎重に行動すること。千春は…この村の人達から信仰を受けているけど、そこには恐怖や…欲望も含まれてるってことをちゃんと理解して欲しい。』 『穂高が言いたいことは解ってる。俺を捕まえて、神主のように金儲けしようとする奴がいるってことだろ。』 『…金儲けだけじゃないんだ。世の中にはね、千春のようなキレイな存在を、その、犯したいって、そういう、趣向を持った人もいるんだ。』 『犯す!?俺、男なんだけど…』 呆れたように言い捨てた俺に、深いため息を漏らす穂高。 『春の肌は白くてスベスベしてるし、体毛は長い髪はサラサラだし、目はくりくりで可愛いし、小柄だし、体毛薄いし、』 『っっちょっと待てぇぇ!!』 俺は顔を真っ赤にして穂高の口を塞ごうと手を伸ばす。が、塞ぐより早くその両手を穂高に捕えられてしまう。 『待たないよ。そういう輩は、待ってくれないんだよ。』 穂高は、急に真剣な顔つきになり、俺の両腕を片手でひとまとめにし、続ける。 『春の抵抗なんて、こうやって簡単に止められるんだ。』
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