二章

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「デニムにパーカーか。昨日俺が言ったこと、ちょっとは理解してくれたみたいだね。」 俺の服装を確認する穂高。どうやらこの服装は及第点を貰えたようだ。 本当は普段着にしているお気に入りの服を着ようと思ったのだが、 「いつも着てる、短パンにダボダボのTシャツで行こうとしたら、その場で全部脱がせるつもりだったのに。残念だなぁ。」 やはり、この格好で正解だった。よかった! 「本当は夜中に出発したかったんだけど…春が捕まった場合を考えると、昼間の方が安全だからね。」 俺の頭を撫でる穂高。 穂高は俺より俺のことを理解し、考えてくれている。 それが、とてつもなく嬉しい。 「穂高。ここを出る前に、一つやっておきたい事があるんだ。」 一つ言っておくと、俺は昨日穂高に言われた犯されるだ何だと言うことを気にしていない。 もしかしたら見た目が女っぽいとか、全く思っていない。 これは、俺の決意の為の行動であり、少しでも男らしくなりたいと思っての行動ではない。 「髪を、切って欲しいんだ。」 だから、そんなに生暖かい目で見ないでほしい。 小声で、そんな事しても春の可愛さは変わらないのに。とか言わないでほしい。 .
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