とある召使と王女のハロウィン

3/11
前へ
/11ページ
次へ
とは言ってもまぁ、自分と同じ様な脳内構造をしている璃王には意味がないのかも知れないが。 今日は夕方まではゆっくりとお菓子を作れそうだ。 それは、今日はグレア・ファブレットがこの裏警察(シークレット・ヤード)の本部を留守にしているから。 その理由は、要約すると「たまにはお前ン家でもハロパ開けよ、このロリコン・シスコン・女誑し」と、彼の妹であり女王であるグレイ・ゼル・ファブレットにハロウィンパーティーを開けとの催促があったからだ。 そんなワケで、グレアと璃王、Jと明日歌は町にあるグレアの町屋敷(タウンハウス)へ行っている。 なので、今この裏警察(シークレット・ヤード)の本部には実質、弥王しか居なかった。 「ふぅ。ざっとこんな物かな」 ハロウィン仕様にデコレーションした会議室に作ったお菓子を並べて息を吐くと独りごちる。 途中で入ってきてつまみ食いする輩が居ないお陰で、随分とスムーズに事が進んで大満足だ。 いつの間にか時間も過ぎて、時間は昼を下がった所。 弥王は最後にジャック・オー・ランタンをテーブルの真ん中に置いて作ったお菓子に蓋を被せると、会議室から出て行った。 さて、これから仮装して公爵達の様子でも見に行きますか。 弥王はワクワクと心を躍らせながら、自室へ続く通路を歩いて行った。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加