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「あら、弥王様じゃない!
ご機嫌麗しゅう、弥王様。
こう言うパーティーに来るなんて、珍しいですわね?」
弥王が物思いに耽っていると、背中から声を掛けられた。
振り返ってみれば、顔を紅くさせた女性がそこに居る。
弥王は直ぐに笑顔を顔に張り付けた。
「お久しぶり、エミリア。
今日は公爵に呼ばれたからね。行かないと後が怖いんだよ」
「まぁ、弥王様、お久しぶりですわ!
吸血鬼な貴方も素敵すぎて、目が眩みそう!」
「ありがとう、ミーシャ。
でも、君の可憐さには劣るよ」
「あぁ、やっぱり弥王様も来られたんですね!
先程、璃王様のお姿を見かけたから、きっと来ると思っていましたわ!」
「あぁ、ジュディ。そんなに喜んでくれて光栄だ。来た甲斐があったな。
オレも今日、君は必ず来ると思っていたよ」
弥王が通路を通る度、数々の女性から声を掛けられる。弥王はそれに丁寧に返していた。
女子にゲロ甘い女尊野郎・・・・・・それが、弥王の学生時代のあだ名である。
それは今も尚、健在だ。
もし弥王が男なら、グレアと匹敵する女誑しであったに違いない。
「あぁ、もっと話していたいけど、そろそろ公爵に挨拶に行かないとな。
また後でゆっくり話そう」
弥王は話を切り上げて、グレアの居るホールへと向かっていった。
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