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鎖骨を舐め、左右の花びらをひとしきり味わい、指と唇の両方で甘く刺激する。
「あ、あ……ん」
背中が反り、身体が跳ねる。もっと、とねだるように薄い胸を突き出す。みぞおちを滑り下りた舌が、臍をするりと舐めて、さらにその下へと這ってゆく。
清正のつむじを見下ろしていた光は、黒い頭が中心に近付くにつれて身構えた。まるで「早く」とねだるように屹立した雄を、清正が右手の親指と人差し指で摘まんだ。そして、ふいに視線を上げて光と目を合わせる。
見つめ合ったまま舌の先をちろりと覗かせる。それを先端に当てらえると、「ああ……」と泣きそうな声が零れた。
自身が触れられる様を見ていると、頭の中が真っ赤に染まって、頬が熱くなった。
「あ、あ……」
立てた膝が不安定に動く。舌先で先端を舐めていた清正が窄めた口に鈴口を含んだ。
「ああ……っ」
光の唇も開いてゆく。どうしていいのかわからず、自分の指を咥えてぎゅっと噛んだ。
ねっとりと舌で刺激され、きつく目を閉じながら頭を逸らせる。
足の間で清正の頭が上下する度に、強い射精感が込み上げる。たまらない気持ちになって黒い髪に指を絡めた。
「あ、ああ……、あ……」
上半身をくねらせて官能を逃しながら、顎を引いて下腹部に目をやる。まるで自分の手が清正の頭を掴んで陰部に押し付けているように見えた。背徳の匂いが悦楽に変わってゆく。
どうにもならない気持ちが言葉になって零れ落ちる。
「あ、あ、でちゃう……、ああ……」
ダメ、と目を閉じて小さく叫んだ瞬間、清正の口から飛び出した雄芯が弾けた。白く濁った体液が、薄い腹の上に飛び散る。清正の顔にも、それは勢いよくかかった。
「あ、あ、……、ごめ……」
息を乱しながら謝る。かけてしまうとは思わなかったのだ。
いたたまれない気持ちで真っ赤になっていると、左手で顔を拭った清正がにやりと笑った。光のものをまとった親指をペロリと舐める。
心の中で悲鳴を上げた。
自分が食べられたような、怖さと同等の奇妙な歓びが背骨の中心を走り抜けた。
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