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好きだ、好きだ、と囁くようにキスが繰り返される。
その間にも強い活塞が繰り返される。
「ああ、清正……、あ、……」
「光……」
深い場所を大きく一度突き上げられて、背中が弓のように反り返った。
「あ、あ、あ、ああ、あ、あ……」
「光……っ」
「あ、あ、ああああ――――…………」
温かい飛沫が光の中で弾けた。清正の手に追い上げられて、光も二度目の精を放つ。
「あ、……」
「好きだよ、光……、好きだ」
「清正……」
荒い呼吸を吐いて、清正の腕の中で瞼を閉じた。
きらきらと零れるように咲く五月の薔薇が、瞼の裏に浮かぶ。清正と光を祝福するように、淡いピンク色のアンジェラが一面に咲き乱れていた。
まだ胸を上下させたまま、一番大事なものに腕を伸ばす。
「清正……」
好きだ。
抱き返した温かい身体に、光自身も包まれる。一番大切で綺麗なもの。
失えば生きられない。
今までも、これからも、光は清正なしでは生きられない。
五月連休までの一ヶ月半は、嵐の中にいるようだった。
薔薇企画の新ブランドを任された光は、オープン時の商品企画とスリーシーズン先までの企画を同時進行で進めていた。ほぼ一年分の仕事を二カ月弱の期間に詰め込まれたようなものである。
堂上の予言通り。さすがに死ぬ気の覚悟で、馬車馬のように働いた。
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