第一章 君の屍が視える

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   今日もまた、嫌なモノが()える。  駅のホームから見下ろすと、線路上には肉片が散らばっていた。  ピンク色の、やけに艶々(つやつや)とした美しい肉だった。  若い女性のものだろうか。  バラバラになった全身のうち、かろうじて原型を留めて転がっている右腕は白く、余計な脂肪の付いていない、肌理細(きめこま)やかで瑞々(みずみず)しいものだった。  この人間の死体が視えるようになってから、今日でちょうど一週間となる。  おそらく、視えているのは僕だけなのだろうけれど。  
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