終章 最期の日

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   ――結人が先生になったところ、見てみたかったなあ。  不意に、母の言葉が思い出された。  病床で呟くように言っていた。  そんな母の願いは、結局叶わなかった。  母はもう逝ってしまったし、それに、僕はもう試験なんて諦めている。  たとえ教師になったところで、その結果を見せたかった相手はもういない。  だから試験勉強なんてとっくの昔に放棄していた。  
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