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暗くてよく見えないが1万円札を抜いたようだった。
するとマネキンのように見栄えのいい男は
迷いもなく長い指の間にそいつを挟んで受け取った。
そして――。
(えっ……!?)
器用に畳んだ札をシャツのポケットにしまいながら
小柄な彼の後ろ頭を強引に掴むと。
(嘘……)
そのまま
引きずるように自分の方へ引き寄せて
窒息しそうな激しいキスで唇を塞いだ。
「ンン……」
苦しげな呻き声。
小柄な少年の身体は
その力強さに逆らえず時折宙に浮いたようになる。
それでも艶めかしい腰つきで
美しい影は奪い尽くすように彼に食らいついた。
だいぶ長い時間そうしていたと思う。
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