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第1章
誰もがギリギリのところで生きている時代だと思う。
いやもしかしたら全くそんな風に感じていない人間もいるかもしれない。
「何?何したって?」
「淫行――でも嘘だ。してないよ、ハメられたんだ」
だけど僕が今どちらかと問われれば
間違いなく前者の方だろう。
「生徒に?」
「ん。そう」
「それで、クビ?」
「いや。証拠ないしね。てか、してないし。でももういられないんだ――だってゲイだってばれちゃったもん」
「タクヤ……?!」
バーカウンターに額をぶつけて突っ伏すと
ガスンと物凄い音がした。
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