#一次創作BL版深夜の真剣60分一本勝負『テルキ』

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 三日月が横になったような目。その中は光輝く黒い瞳。白い歯を覗かせ、大きくめいっぱい横に引き上げた口。最大限の笑顔。  君の笑顔はとても眩しく、明るい黄色と自然の緑が似合う。日の光に包まれた太陽の申し子。それが君の第一印象だった。  君がいれば、曇りでも雨の日でも、周りは途端にキラキラと照らされて輝きだす。  派手に転んでパックリと割れた膝を抱え、「いってー!」って言いながら笑ってる君。かわいそうな映画を観てると盛大に鼻水を啜る音、隣を見たら両目からダーダー涙を放出させてる君。「でへ、涙出ちゃった」って言いながら眉を八の字にしてやっぱり笑顔を見せる。僕が君の可愛がっていた文鳥を逃がしてしまった時。普段はイタズラしても、からかっても滅多に怒ったりしない君が「リョウスケひどいっ!」って凄い形相でムウウウウッ! と僕を睨みつけてくる。ヤバイ本気で怒らせたと君の機嫌を伺いながら「ごめん、な」って謝ると、君は鼻をズビッとすすり上げて、「ふー」と息を吐いた。窓へ目を向け空を見上げた。そして言ったんだ。「きっと喜んでるね」って。目じりに小さな涙の粒を浮かべながら優しい笑顔を見せてくれた。  どんな時でも僕を照らすテルキ。
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