少女ととある朝・1

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少女ととある朝・1

目が覚めた。 目覚ましを見てみると、いつもより1時間以上早い時間だった。二度寝をしようとしたけれど、自分がが思っているよりも目が覚めてしまっていた。 諦めて、ベットと布団に別れを告げ、部屋のカーテンを開けると、そこには今まで見た空よりも青く澄んで綺麗な空が広がっていた。こんな綺麗な空が朝から見れるなんて!二度寝なんてしなくてよかった、ナイス私!と心の中で自分を褒めてみた。 (早く起きたからには、準備を完了させて、いつも起こしに来てくれている幼馴染の彼をびっくりさせるのもいいかもしれないな。) よし、そうしよう!と意気込み、顔を洗うために階段を駆け下りる。廊下で母にすれ違い様におはよー!と朝の挨拶を伝えると、母は一瞬目を丸くした。それから、数秒もしないうちにいつもの顔に戻ると「今日はとてもいい天気なのに槍でも降るのかしらね」と笑いながら言い、朝ごはんの用意のためか台所へと消えていった。お母さんは私をなんだと思っているんだ!と言い返そうとしたが、起きるのが毎日遅刻ギリギリなのは自分のせいだから、言うに言えなかった。(それに幼馴染の彼に起こしてもらってやっとだし) それから、あれこれやり準備を完了させ、時計を見てみるとまだまだ彼がくるにはずいぶん余裕があった。 どうしようかと数分悩み。今日はいい天気だし、たまには一人で行くのもいいかもしれないな!と思い至り、彼に一言「先に言ってるね」とメールをして、行ってきまーす!といつもより早い時間の通学路を歩き始めた。
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