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少年ととある朝・2
いつも半分走って通っている通学路をゆっくりと歩いていて学校に行くと、校庭の一部に人だかりができていた。何かあったのかと気になり、やっとの事で中心にたどり着くと、そこには赤く染まった君がいた。
正直嘘だろと言いたかったが、僕は思った。彼女の夢はこういうことだったのかもしれないと。
だけれど、なぜか僕の頭の中のとある記憶が浮かんだ。彼女の夢が決まった時のことだ。
確か、あの時彼女の母親に呼んでもらった絵本には天使が出てきていた。ああそうか、もしかしたらと、正解かはもうわからないけれど、僕はこう思うことにした。
彼女は命と躰を犠牲にし羽を手に入れたのだと。
今はこの美しい空を優雅に、そして自由に飛び回っているんだと思い、君らしいなと思い少し笑ってしまった。結局伝えられなかった思いを含めた涙を流しながら。
あの空を僕は決して忘れないだろう。
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