少年と少女

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少年と少女

とある日の放課後、テストが近くて勉強を見て欲しいと彼女に頼まれた僕は彼女と久しぶりに一緒に下校していた。高校に入ってからは、登校は一緒だけどお互い部活が忙しくなり、ばらばらに帰ることが多くなっていたからだ。 (ちなみに僕は美術部で、彼女は陸上部だ) 帰っている途中見た夕日はとても綺麗だった。つい立ち止まって見入ってしまうほどに。突然、前を歩いていた彼女は後ろを歩いてた僕が立ち止まったことに気づいたのか、彼女も立ち止まり、空を見ながら僕に問いかけた。「空を見るのは好き?」と。 その問いに少し驚き彼女の方に顔を向け、「ああ、好きだよ。(君と見る)空はね。」と、ずっと伝えられていない思いを乗せて答えた。そして、また先ほど見ていた空を見た。 そのあとしばらくの沈黙の時間が流れた。だけど、その沈黙を破ったのは、僕自身だった。 「...だけど、夕日は嫌いかな」 終わりを感じてしまうから。 「えー私は好きだよ、今日は終わっても明日がくるじゃん。」     
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