1.目覚めし断罪者は

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そんなことを考えつつ、スーパーへ向かう最中……。 「ん?なんか音……」 傍の空き地からの、争うような音。 音のしたほうを向くと、そこにはあり得ないものがいた。 今まで見たことのないような、醜い姿をした化け物。 そして酷い死臭。 「なんだ……こいつら」 <凍てつく氷よ、闇をかてとしすべてを凍らせ!> 化け物を凝視していると、後ろのほうから、女の中二病じみたセリフが聞こえた。 そしてそのセリフとともに、突然氷が化け物を襲う。 「どうなってんの、これ」 もしかして、これが断悪か? 「大丈夫かい?!」 呆然とその様子を見ていると、いきなり声をかけられる。 声の主を見れば、女とは別の人物。 男は30代くらいで、眼鏡をかけた優男。どう見ても戦いには、向いていない。 一方、化け物と戦うのは、ゴスロリ調の服をまとった黒髪の美少女。こちらは、強気な印象を与える。 そして、その二人とは別に、ゴスロリ少女によく似た、宙に浮くこれまた美少女。 いったい、なんだというんだ。 なんだか、頭が痛くなるようなことばかりだ。 「あんたは、行かなくていいの?」 戦う少女をよそに、観戦を決め込む男に問う。 まぁ、答えなんてものは、この男の見た目からして想像がつくが。 「残念だけど、僕は攻撃する能力を、持ち合わせていないんだ。僕ができるのは、癒すこと」 「ふーん。ねぇ、このままじゃあの子……死ぬよ?」 俺の本能が、そう伝えていた。 彼女は、決して弱くはないのだろうが、相手の力には劣っている。 このままじゃ、死ぬ。俺の勘が、そう訴える。 「(リン)ちゃん、今回は逃がして!」 俺の声に、ハッと少女の方を見た男は、声を張り上げる。 鈴と呼ばれた少女は、自分でも分が悪いと思ったのか、攻撃の手を緩めた。 すると、相手側としても戦いたくはないのか、にやりと笑って姿を消した。 その瞬間に、ふとある疑問が浮かんだ。
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