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それが、俺は怖かった。
高校卒業後、俺達は別々の大学に行くことになった。その後はお互い会うこともなくなり、俺の心の中からもだんだん音羽の存在が消えていったと思っていた。
そう思っていたはずなのに、どうしてまた出てくるんだ。
彼女は既に他の奴のモノになっているのに、これ以上俺は彼女に何を望もうというんだ。
手元のグラスに入っているビールは、既に泡が消えてしまっていた。
俺は自分の中に現れ始めた感情を打ち消すかのように、ビールを一気に喉へと流し込んだ。
結局その後も俺は音羽と話す機会はなく、同窓会も終了を迎えた。
少し残念にも思ったが、これで良かったんだ。
これ以上、この気持ちが膨らまないように。
俺は自分に言い聞かせるように、そっと心の中で呟いた。
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