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「でね、これが『命の実』って言ってね……、死んだ人を生き返らせるんだよ!」
「へぇ……そりゃすごい。……何か『あけび』みたいな形だねぇ……。裏山にいっぱいなってるよ。」
それからというもの。
私と友達たちは、老婆の駄菓子屋が行きつけとなった。
若くて綺麗なお姉さんはいないけれど。
屈強な戦士達はいないけれど。
この店は当時の私にとっては間違いなく『旅人の酒場』だった。
「じゃ、またね!」
「明日、学校でな!」
大きく手を振って友達と別れた私。
ひとり残ってその背を見送る私に、
「良かったじゃないか。楽しい生活になりそうでさ。」
にこにこと微笑む老婆がそこにいた。
「うん……田舎なんて嫌だって思ったけど、やっぱり……友達がいれば、楽しいや。」
それは、紛れもない本心。
老婆もその言葉を聞いて優しく頷いたが……
「今は、たくさん友達を作って、出会いの喜びをたくさん味わうと良い。……いつか必ずやって来る、別れの悲しみに負けないように、ね……」
私はその時の老婆の表情は一生忘れることはないだろう。
どことなく寂しさの混じった、あの表情を……。
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