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それじゃ明日、夕方18時に店に来い...そう言われて俺は渋々返事をして店を出た。スマホで時間を見ると講義が終わるまで後30分...今から行ったって間に合うはずがない。俺は大学まであと数分の距離を自転車を押しながら歩いた。
あぁ...本当に今日はなんてついてない日なんだ...
「よぉ!ユノ!お前なーんで今日の1限来なかったんだよ?」
あれほど遅れんなって言ったのにお前はアホか?そう言って後から飛びついてきた挙句方腕を首に回して締めてきながら口が悪いこの男は俺の幼馴染であり親友であり兄貴のような存在でもあるヒチョルだ。
こんなことをするけど顔は恐ろしく綺麗だから人は見かけによらないなんて言うけど全くその通りだ。
あぁ、ジェジュンさんもきっとヒチョルと同じタイプだ。
「ひ、ヒチョルっ...ぐ、ぐるじぃっ!」
「これぐらいどうってことねぇーだろうが」
ギブギブっ!と腕を叩くがヒチョルはその力を弱めることはしない。なんて恐ろしい奴だ。
「ちょっ、理由はちゃんと話すから!まじで死ぬっ!」
そうか、と言ってやっと離してくれたけどヒチョルはふんっと腕を組んで得意そうに笑っている。そんなに俺が苦しんでるのが楽しいのか?
「まぁ、まずはこの俺様に感謝するんだな!」
「?」
「今日の1限の講義、お前の代わりに出席カード書いてやったんだぜ?あぁ~俺ってなんて弟思いの優しい兄貴なんだろう」
そう言って俺の目の前に1枚の紙をひらひらとさせるヒチョル。よく見るとそれはヒチョルの学年ではなく俺の学年の講義出席カードだった。どうやらこんな事もあろうかと俺の学年の出席カードを数枚持っていたらしい。どうやって手に入れたかはあえて聞かないでおこう。
「わぁーっ神様仏様ヒチョル様っ!」
「はっはっはっ!報酬は今日のスペシャルランチで手を打ってやろう。」
「喜んでっ!」
うちの大学の学食で1番高いメニューを奢れと言われたが...そんな事はどうでもいいぐらいにヒチョルに感謝する俺。ついてるんだかついてないんだか...
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