07.蜜月

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 柔らかな日差しにヌクヌクと温められて、ボンヤリと彼が何かをしているのを見ているのが、とても楽しくて幸せだったから。  「無理にとまでは言わねぇけど、退屈じゃねぇの?」  「いえ、まったく。こうして、あなたが石を投げているところを眺めているだけで、楽しいです。」  ニッコリ笑ってそんなことを言うエリカに何を思ったのか、わずかに頬を染めたラファエルがフンと鼻を鳴らして、それでもそれ以上彼女に無理強いすることなく、彼女の手から小石を取り上げた。  どうやら満更ではなかったらしい。  先程よりも力を入れて、湖へと石を投げ出す。  「昔……。」  「はい?」  「ガキの頃な。エーミールの実家の領地、お前んとこの領地があるところとはまた別の地域だが、そこの祭りで、石投げの競技に参加したことがあるんだよ。」  「へぇっ。」  川や湖、水や石ある場所ならどこででも、わりによくある競技だ。  エリカの領地には湖はないが、それでも近くの森には、それほど大きくはなくても川があったから、石投げ自体は彼女もやったことがある。  ただ投げるだけに思えても、飛距離を出すにはそれなりにコツがあって、なかなか難しいことは彼女も知っていた。  「ラファエルは、とてもお上手ですから、もしかして、優勝とか準優勝とか、何か賞をとられたんじゃないですか?」     
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