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鳥や犬猫をペットとして飼うのは、貴族たちのステータスの一つだが、彼自身はそれほど生き物が好きというわけではなようで、アトリウムで珍しい生き物たちを放し飼いにしている他には、彼はペットを飼っていなかった。
「鳥が好きなのか?」
「あ、いえ。鳥っていうか、生き物は全般的に好きですけど、綺麗なだけじゃなく、おしゃべりまでできるだなんて、凄い鳥だなって。……あ、おしゃべりってほどには、話せないんでしょうかねぇ?物マネをする感じなんでしょうか?」
「さあ?」
あまり会話にノってくれないので、ほとんどエリカが独り言を呟いているようなものだが、それでも一応は話を聞いてくれてはいるらしい。
首を傾げたり、自問自答していると、時折、相槌を入れてくれたりもする。
おおむね、ラファエルとの会話はいつもそんなものだったから、今ではエリカも過剰に緊張したり、彼の反応を気にしたりすることはなくなっていた。
たとえ一人でおしゃべりをしているようでも、彼がエリカのおしゃべりを遮ろうとしたり、うるさがって咎めたりしないことがエリカにもわかっていたから。
行きと同じように差し出された手に手を乗せ、引き上げてくれるラファエルの腕に身を任せて馬に跨る。
(花摘みがしたかったな。)
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