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そうなると、隊員に警戒されないように入り込み、話しを拾う必要がある。暗府ならばそういうスキルもあるが、騎兵府でそのような事が出来る者は限られる。
だが、そういうスキルを持っている者を、ファウストは知っている。
「正直、難しい状況です」
オーソンが肩を落とす。だが、ファウストは微かに笑みを浮かべてその肩を叩いた。
「不本意だが、こういう事に長けた奴を連れてきている。正直、ここまで事が面倒でなければ巻き込むつもりはなかったんだが…こうなっては仕方がない」
「巻き込むとは?」
驚いた顔をしたオーソンに、「後で紹介する」とだけ言って、ファウストは溜息をつく。そして同じように苦笑するウェインに、一つ頷いてみせた。
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