お風呂タイム

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お風呂タイム

 上官用の風呂を拝借するのは今回で二度目。一度目はほぼ意識が浮いていた。  棚の空いている場所に服を入れて中に入ると、大人が四人は余裕で入れる大きさの浴槽と、広い洗い場がある。  まずは体と髪を洗って一日の汚れを洗い流しながら、ランバートは隣で同じように体を洗うファウストを見た。  均整の取れた体は、程よくついた筋肉が正しい動きを見せている。引き締まった体は誰が見ても美しいと感じるだろう。 「どうした?」 「…いえ、なんでもありません」  思わず見とれた、とは言いたくなかった。  ランバートはそっぽを向いて、髪についた泡を洗い流す。 「背中でも流しましょうか?」 「そんな気を使う必要はないぞ」 「洗いづらそうに見えたので。そんなに手間じゃありませんよ」  言って背後にまわり、泡立てたスポンジで背中を洗う。広い背中に流れる黒髪が、艶っぽく感じた。 「お前、警戒しているだろ」 「前の事を思い出しただけです」 「あぁ、あれか」  赤くなって憎らしく言ったランバートに、ファウストは楽しそうに笑う。こういう顔は俗っぽくて、年齢相応の若さと鋭さがある。 「あんなことは、もうしない」 「本当ですか?」     
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