紅茶の香

3/3
前へ
/7ページ
次へ
それから1時間くらい会話をして スミレ「ああ、もうこんな時間か・・・そろそろ行こうか?」 サクラ「そだね」 席を立って2人でレジにむかう。 サクラ「・・・これなんだけどさ」 と指をさす スミレ「・・・え?このカードお店の・・・だよね」 サクラ「うん?」 スミレがカードを手に取る スミレ「お店の名前と住所、電話番号と地図・・・普通じゃない?」 サクラ(あれ?・・・みえてないのかな) 店員「どうぞ、お持ちください」 スミレ「ありがとう、ごちそうさま」 サクラ「・・・ごちそうさま」カードを1枚とりながら 店員「また、お越しください」 「またお越しください」のありきたりの店員の言葉の響きではない気がしたのは・・・やはり気のせいだろうか・・・ 彼女が手に取ったカードにも私のカードにも確かに「あなたの「記憶」買います」とかいてある・・・私の目がおかしいのだろうか・・・ どうしても気になってしまって閉店時間ごろ電話をかけた。 店員「はい、レーテです・・・」 この間はなんだろう・・・ サクラ「・・・あの・・・」 店員「はい」 たぶん、わかっているのだろう・・・ サクラ「おかしなことを伺うのですが・・・」 店員「はい、「記憶」のことですか」 声が優しい・・・ サクラ「・・・はい」 店員「見えてしまったのですね・・・今、お店を閉めますので・・・時間をおいて電話をこちらからかけるか、後日閉店後のお店に来ていただきたいのですが・・・」 サクラ「・・・え?」(見えてしまった?) 電話番号を教えるのは気が引けてしまい サクラ「では、後日伺いたいのですが・・・」 店員「わかりました、でわ、いらっしゃられる時に事前にお電話を頂きたいのですが・・・よろしいでしょうか?」 サクラ「・・・はい」 電話はそこで終わりにしました。 記憶を買う・・・思い出話に対してお金を払うのだろうか? それならばただの恥さらしもいいところだ・・・ ・・・その記憶は私の中から消えるのだろうか・・・そんなおかしな期待をしてしまう私は・・・やはり病んでいるらしい・・・
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加