【     始まり      】

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俺の名前は【 志波姫(しばひめ) リョウタ 】十五歳。趣味も特技も夢すらも無い。そんな普通の男子高校生。 いや、それだと趣味や特技、夢を持っている高校生は普通ではないと、そう解釈され兼ねない。 故に趣味、特技、夢を持ち合わせている高校生が普通と言う訳で……。 いや、でもそうなると俺がちんけな高校生だと思われる可能性も無きにしもあらず。 ていうか、そもそも普通とは何だろうか? 人は何を基準に普通と言うのだ……。 考えれば考えるほど深みに嵌る迷宮の中へ。 よく分からなくなってきたぞ。 と、そんな考えをしてる内に学校に到着していた。 この現状に不意にため息がひとつ漏れる。俺の住む街並みなどを説明口調で語るシーンが入るのかと期待していただけに悔やまれたからだ。 でもまぁ到着してしまっちゃぁしょうがない。 実に惜しい思いで校舎裏の駐輪場に自転車を止め、鍵を掛ける。 ここは【 X県 G高校 】俺が通う高校だ。 校舎に向かう途中で一人の友達と会う。
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