【     始まり      】

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「おう! ヒラカズ♪」そう片手を軽く上げて挨拶を交わした。 友達の名前は【 平塚(ひらつか) カズキ 】中学校の時からの友達で、あだ名はヒラカズ。  特徴・校則違反の茶髪。以上。 「おうリョウタ。そう言えば、もうすぐアメリカの大統領選挙があるけどよ。ニュース見たか?」 「ああ、見た見た。なんだか日本にも影響があるとか……」 俺達はどうでもいい話をしながら下駄箱を経由して教室へと向かった。 教室へ向かう途中もどうでもいい話を続けていた。 「昨日の体育ヤバかったぜ」 「何が?」 「いや、着替える時に気づいたんだけど。間違えて妹のパンツ穿いて来ちまってさぁマジ焦ったわぁ」 どう間違えんだよ! 気づける範囲だろ。 「え、じゃぁ妹は?」 俺がそう聞くと「俺のパンツ穿いて行ったに決まってんだろ!」と何故かキレられた。 ヒラカズがキレたかと思ったら今度は深いため息を漏らしたので「今度はどうした?」と聞くと暗い表情を浮かべて口を開く。 「実は今日も、つうか今日は妹のブラジャーを間違えて着けて来ちまってんだよねぇ」 「いや余計間違えようがねぇだろ! 確信犯だろ!」 百万歩譲ってパンツを間違えたのはしょうがないって事にしても、日常生活を送る中でブラジャーを着けて来るってどうゆう事だよ。イカレてんのか! 「まぁ、そう言うわけだからよ。今日の体育もバレないように頑張るわ。じゃあな」 教室の前でヒラカズ、いやエロカズと別れる。 エロカズは別の教室だ。 ひと時の楽しい時間は過ぎ。俺は自分のクラスの戸の前で、心を静め一度深呼吸をする。 《 クールモード ON 》 クールモードとは別に必殺技でも何でもない。ただのメンタル的な要素だ。 どういう事か? それは……。
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