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俺と眼が合うと、正気に戻ったのか「……ああ、ありがとうございます」と、酒焼けした声でお礼を言われたのだが……正直あまりうれしくない。
普通こういうシチェーションってのは巨乳美女が腰が抜けて動けない。ってところを俺がクールに
「危ないところだったな」
なんてカッコつけて手を差し伸ばして
「立てるか?」
と甘い声を掛けながら引き上げる。
すると巨乳美女は、ありがとうございます。もう大丈夫ですので。
と立ちあがるがそれは強がり。
実は足はガクガクでよろけた拍子に俺の胸の中へと倒れ込んでくるんだ。
触れ合う手と手、寄せ合う体、ぶつかる巨乳。
「デゥフフフフ」
見つめ合う二人はやがて愛を誓い。祝福の声と共に盛大に式を挙げる!
王子、姫を助けてハッピーエンドの巻き……。
ってパターンが嬉しいのだが、現実はこれだ。
「大丈夫ですか? 立てますか?」
Aに手を差し伸べると、おれの手を力強く握り身を任せる。
重たい体を俺も力を入れ起き上がらせた。
「すみません。助かりました」
Aは起き上がったはいいが、バランスを崩して俺に凭れ掛かる。
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