土日祝祭日は異形魔界で戦っています

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東條は足早に黒ボールを交わしていた。 黒ボールは俺の目の前まで来ると元の体型に戻り、その大きな盾で殴りかかる。 今度はこっちがターゲットか……。唯一のスキル【 鉄棍棒(てつこんぼう) 】で叩き壊そうとするが、気を取られた隙にもう一機の黒ボールが、俺の左脇腹を直撃。 『ドン』と言うゴツイ衝撃と共に吹っ飛ばされ、天地が何度も回る。 「リョウタくーーーん!」 「だ……大丈夫です。東條さん……」 地面に這いつくばりながら強がってみせるが……めちゃめちゃ痛い。普通なら間違えなく死んでいただろうな。 初めて受けた攻撃と、耐攻防増力スーツの性能に驚かされる。 このスーツについていろいろと説明されたが今は振り返っている場合ではない。先にオレンジと黒色ニ機を倒さないと……。 立ちあがり、鉄棍棒を構える。 黒色ニ機は両サイドから攻めてくるが、その攻撃よりも早く一機目の頭を突き刺し、突いた反対側でニ機目を横殴りにする。 一機目は破壊。ニ機目は盾で防がれてしまった。 透かさず攻撃を仕掛けるが、青白い光がもの凄いスピードで俺の目の前に飛んでくる。 当たれば死ぬと考えるよりも早く体が動き、それをギリギリもギリギリ、ホントにギリギリでなんとか交わした。 余りの怖さに、眼から涙。股間からも涙が溢れ出た。 光が飛んできた方へ眼を向けると、霊撃砲を構えている東條の姿が眼に移る。 「すいません、的が外れました。…………テヘ♪」 犯人はこいつの撃った霊撃砲だった。 「へたくそーーーーーーー !」 殺す気かハンペイタ。このままでは敵がもう一人増えたようなもの。 力になろうとする気持ちは有り難いが、はっきり言って迷惑以外のなにものでもない。 「東條さん、いろいろ危ないんで……とりあえずあの辺に隠れていて下さい。邪魔なんで」 「あっはい……」 東條は渋々と俺が指さす岩陰へと向かう。 同時にオレンジ機械が動き出した。 歩くたびに生じる金属音と地響き。ばかでかい腕を引きずるようにゆっくりと前進してくる。腕のせいで早く進めないようだ。 俺の背後からモーター音が近づいて来るのが聞こえた。この音は黒のマシーン。 振り返ると両手の盾で俺を挟もうとしている。 挟まれる前に棍棒を、がら空きになっている股下から上へと掬(すく)うように、黒機械を真っ二つに割った。 〝 あと、一機 〟
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