プロローグ

3/12
2891人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
満面の笑みを浮かべる私に、林さんは申し訳なさそうに何度も頭を下げている。 その姿を見つめながらしみじみ思う。 どうやら次回の婚活パーティーも林さんは撃沈確定だろう。 それでもいつか、きっと林さんも素敵な女性と出会える時が来ると励まし続けて来た。 そう、何事も諦めてしまったら全てが終わりだ。 結婚はゴールではなく、未知なる世界へのスタート地点。 赤の他人同士が心を通わせひとつ屋根の下で生活を共にするには、お互いの思いやりと小さな妥協。 まぁ未婚の私が偉そうに言えた義理ではないけれど。 少なくとも、見ず知らずの二人が出会い、お互いに興味を持ち、結婚へと歩み出せるまでを導くのが私たち、恋愛コンシェルジュという仕事だ。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!