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【思い出し笑い】:以前にあったことを思い出し、1人で笑うこと。
【ピアスの話】
ヤンキー君が突然ピアスの穴を開けたいと言ってきた。俺は急に言われたから、反射的になんで開けたいのか質問したが、ヤンキー君は開けたいから開けるんだろと言った。
俺はまぁ、そうだよなと思ったが、うちの高校は校則でピアスの装着はNGときいてる。一応そのことを知っているか聞いたが、バレなきゃ別にいいだろうということでピアスの穴を開けることになった。
それにしても、なんで俺に言ってきたのは分からなかったが、なんでも1人でするには穴を開けにくいし不安だから、俺に手伝って貰おうと考えたらしい。ヤンキー君は痛いのは苦手だ、強がってはいるけども注射はビビりながらするし、刺されている箇所を見ないようにギュッと目を瞑って顔を逸らす。そんなヤンキー君だから、誰かにやってもらはないと出来ないと踏んだんだろう。案外分かりやす過ぎた。そこまでしてピアスをしたいんだなとヤンキー君の固い決意を無駄にはしないと思い、俺は了承した。
ヤンキー君があらかじめ用意していた、ピアッサーで穴を開ける準備をする。ヤンキー君のベッドの上で傍らに消毒液やらティッシュなどを置き、耳の周りをよく綺麗にする。ヤンキー君に手鏡を持ってもらい、何処の位置に穴を開ければいいのか調整する。ヤンキー君の耳たぶは、こんなにも気持ちがいいものなのかと小さく驚き感動しつつフニフニと触っていると、早くやれよと叱られた。はいはい、やりますよー。
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